よんでよかった 3
子どもがこの絵本をとおして木の実に興味をもち、思いもかけぬ木の実による造形表現に触発されて、実際に木の実に触れ、拾ったり並べたりするようになると、この絵本の変形譚--犬が蛇や鳥になり、さらに蛙になり、再び元の山犬に戻るという変身の話の真のおもしろさと意味を感じとり、またとない自然体験と物語体験をするにちがいありません。
『ガオ』は絵本らしからぬ「絵本の傑作」です。
作者が自らの実存をかけたメッセージを子どもに伝えようと、渾身の力をそそいだことが感じられます。
わかるわからないといった次元をこえて、自然の内に秘められている美と驚異を伝え、私たちの内にひそんでいる、ものを見る眼と表現への意欲、つまり生きる力をかきたててくれる絵本です。